白鳥学園、いきものがかり
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廊下に突き出た白いプレートに書かれた明朝体。
——————生徒会執行部、
そこで窓の外を見る、赤茶色の髪をした男がいた。
ジッと見ているのは雲雀達の方のようだ。
ガムを膨らまし、視線は雲雀紬の方。
「紫虎会長、」
黒髪にフチの無い眼鏡を掛けた男が話しかけた。手には紙の束をまとめたもの。
「窓、閉めてくれますか?風で飛ぶので」
淡々とそう言うと、眼鏡を上げた。
完全無視の生徒会長は窓全開で下を見ている。
眼鏡の男は溜息を吐き、窓を閉めた。
紫虎と言われた男が不服そうな顔をする。
「猫葉くん…僕見てたんだけど」
「知りませんよ。俺には無関係です」
「相変わらず食えないね。猫葉くんは…がり勉のクソ真面目くんなのに顔面整ってるから、更に食えないねぇ」
「……貶してます?褒めてます?」
「どっちもかな」
猫葉と言われた男が、またも溜息を吐いた。
「何を見ていたんです?」
その質問に紫虎は悩みながらも口を開く。
「——————僕のお姫様、」