白鳥学園、いきものがかり


***



廊下に突き出た白いプレートに書かれた明朝体。

——————生徒会執行部、



そこで窓の外を見る、赤茶色の髪をした男がいた。
ジッと見ているのは雲雀達の方のようだ。

ガムを膨らまし、視線は雲雀紬の方。


紫虎(しく)会長、」


黒髪にフチの無い眼鏡を掛けた男が話しかけた。手には紙の束をまとめたもの。



「窓、閉めてくれますか?風で飛ぶので」



淡々とそう言うと、眼鏡を上げた。
完全無視の生徒会長は窓全開で下を見ている。


眼鏡の男は溜息を吐き、窓を閉めた。
紫虎と言われた男が不服そうな顔をする。


猫葉(ねこば)くん…僕見てたんだけど」

「知りませんよ。俺には無関係です」

「相変わらず食えないね。猫葉くんは…がり勉のクソ真面目くんなのに顔面整ってるから、更に食えないねぇ」

「……貶してます?褒めてます?」

「どっちもかな」


猫葉と言われた男が、またも溜息を吐いた。



「何を見ていたんです?」



その質問に紫虎は悩みながらも口を開く。



「——————僕のお姫様、」


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