白鳥学園、いきものがかり
「…熱ある」
「え?きゃ…!」
突然倒されて、ベッドに寝っ転がった。
私の身体を丸め込むように布団を掛けられる。
確かに…ちょっと寒いなとは思ったけど…!
「る、るい!さっきの話って…」
紛らわされた気がする。
…ううん、紛らわされたんだ。
布団の中に両腕を巻き込まれたから動けない。だから視線を送った。
だけど累は気付いていないふりなのか、淡々と私の寝る用意をしている。
「っ…累ってば!」
「──────ごめん、」
チュッ、
額に触れた唇。
その後で冷えピタを貼られる。
「今は教えない。…でも、すぐ言う。待ってて」
そう言いながら私の頭を撫でた。悲しそうに言うその姿に私はこれ以上何も聞けなかった。
…いつか、ちゃんと教えてくれるのかな。
その時まで。累が自分の口で言ってくれるまで。
待ってるからね。
一気に身体中から力が抜けた気がした。寒気と咳が出る。
本当はまだ熱があった。
累に会いに行く時から。
落ち着いただけで、シャワーを浴びたあたりからまたぶり返すって分かってた。
だけど…ごめんね。届けるなんて本当は建前で。
私、会いたかったの。累に。
我儘ばかり、迷惑ばかり掛けて…、
「ごめんね、」
ボソリと呟いて、目を瞑った。