白鳥学園、いきものがかり
「…それ、本気?」
「あ?別に良いだろ。テメェらこそたけぇもんばっかやり過ぎなんだよ」
「まあ…でもそれは無いと思いますがね」
呆れ顔の四人と別で一人ジッとそれを見ている私。
もこもこの毛は肌触り抜群で、しかも座るワニの背中から小さな羽根が映えてる。
…か、かわいい。
紘のスーツの袖をツンツンと引っ張った。
「紘…凄くかわいいね。嬉しいよ。ありがとう」
「フッ、俺がどれだけ紬の傍にいると思ってんだよ?」
そうだね。
ふふ、私の事良く分かってる。
ぬいぐるみが好きだけど喘息持ちで持てない事、よく知ってるね。
最近は落ち着いてきてはいるけど。
やっぱりママ達が心配するから買えなくて。
でもきっと貰ったって言えば、ベッドの近くは無理でも部屋になら許してもらえるからだよね?
「うん。ありがとう、紘…それに、みんなもありがとう。大切にするね」
きっと忘れられない誕生日。
みんなが集まってくれた大切な日。