白鳥学園、いきものがかり
──────夜。
あっという間に日が暮れてお開きになった。
本当は忙しいのに、この時間まで一緒にいてくれた事、本当に感謝してる。
仕事に向かうみんなに手を振って、私は両親と共に家についた。
べろんべろんになったママをパパが見つつ私は二人に一言言って自分の部屋に向かった。
「…翔?」
「ん。お帰り紬ちゃん」
吃驚した。
私のベッドの上に座る翔が居たから。
「私…鍵、閉め忘れてた?」
「うん。開いてたよ~」
「え!?嘘!」
「次からは気を付けようねっ」
可笑しいな家を出る前に閉めた気がしたんだけど。
翔は自分の隣に手招きしてきた。
言われるがまま隣に腰を下ろす。
でも、今日が終わる前に翔に会えて良かった。
ポケットに入れていた小袋を取り出す。
小さなラッピングがされた物。
「翔、誕生日おめでとう」
今日は、私だけじゃない。
翔も16歳の誕生日。
毎回私のだけが盛大になってしまう。
だから毎回こうやって、二人の時だけ。
翔の事を祝うんだ。
「僕に?…開けても良い?」
こくん。
翔はゆっくりとその袋を剥がした。