白鳥学園、いきものがかり



キラリ。
ステンレス製のイヤーカフが光る。


…実はあのレストランで渡そうとしたなんて言えない。

みんなが私に凄いプレゼントをしてくるから、見せられなくなってしまった。


値段だって翔のくれた物より低価格で、ブランドの物でも何でもない。安いお店で買ったもの。



「…翔、少しだけ金属アレルギーがあるって言ってたでしょ?だからステンレス製にしてみたの。

えっと…ネックレスと悩んだんだけど。
翔にはこっちかなって…思って、」



シンプルな銀色の丸型イヤーカフ。
小さめでそんなに目立たない物。


「……ごめんね。大したものじゃないの」


翔のくれたこのアクセサリーと値段の差が大きいのは分かってる…正直に言えばこんな安い物を渡す事が恥ずかしい。



「かけ──────、」



何も言わない翔に心配そうにしていたら、突然抱き寄せられた。驚いて固まる。



「ありがとう。僕凄く嬉しい。紬ちゃん、大好き」

「翔…、ううん。私こそありがとう」




< 128 / 153 >

この作品をシェア

pagetop