白鳥学園、いきものがかり
キラリ。
ステンレス製のイヤーカフが光る。
…実はあのレストランで渡そうとしたなんて言えない。
みんなが私に凄いプレゼントをしてくるから、見せられなくなってしまった。
値段だって翔のくれた物より低価格で、ブランドの物でも何でもない。安いお店で買ったもの。
「…翔、少しだけ金属アレルギーがあるって言ってたでしょ?だからステンレス製にしてみたの。
えっと…ネックレスと悩んだんだけど。
翔にはこっちかなって…思って、」
シンプルな銀色の丸型イヤーカフ。
小さめでそんなに目立たない物。
「……ごめんね。大したものじゃないの」
翔のくれたこのアクセサリーと値段の差が大きいのは分かってる…正直に言えばこんな安い物を渡す事が恥ずかしい。
「かけ──────、」
何も言わない翔に心配そうにしていたら、突然抱き寄せられた。驚いて固まる。
「ありがとう。僕凄く嬉しい。紬ちゃん、大好き」
「翔…、ううん。私こそありがとう」