白鳥学園、いきものがかり



いつもの満面の笑みじゃなくて、微笑む、みたいな感じだった。
どうしてそう、”愛おしい”みたいに見てくるんだろう。


「紬ちゃん、前に言った事覚えてる?」

「え?…前に?」


な、何か言ったっけ?
それにいつの前、だろう?

必死に巡らせるが全く分からない。


翔はふふ、っと笑うと、



「後で僕のお願い聞いてね、って話だよ」




──────…あっ。


そういえばかなり前…入学式の次の日。
そんな事言われたような?気がするような…?


うろ覚えだけど。



「え、えっと。何をすればいいかな?」



翔は自分のスマホを向けてきた。



「ツーショット、撮ろぉ?」



そう言って、また笑った。


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