白鳥学園、いきものがかり
***
──────酔いに酔っているのは、雲雀紬の母親。
気持ちよく寝ていた時に電話が鳴った。
頭を抱えながらも通話ボタンを押す。
社長、と呼ばれる度に声を発する。
その隣では雲雀紬の父親が、眠気まなこで自分の携帯を手に取った。
同様に電話が鳴っていたのだ。
同じく電話に出た所で、二人同時に目を覚ました。
その内容があまりにも衝撃的な物だったからだ。
「そんな…!困るわ!ウチには病弱な娘がいるのよ!?」
「そんなの困ります!ウチは病気がちな娘がいるんです!!」
ほぼ同時の両親の声。
何度も「困る」と連発している。
「そっちで何とかして頂戴!私は行かないわよ!」
「すみません!何を言われても私は行きません!」
怒り口調が更にヒートアップする。
『申し訳ございません!こちらも最善を尽くしたのですが…どうしても社長じゃなきゃ、』
『申し訳ない!私も何度も言ったんだ。だが…どうしても雲雀シェフでないとと、』
別々の電話。しかし、どうも似たような話が聞こえてくる。
『行き先は、ロンドンです』
『行き先は、ロンドンだ』
それは同時に響いた。
***
──────酔いに酔っているのは、雲雀紬の母親。
気持ちよく寝ていた時に電話が鳴った。
頭を抱えながらも通話ボタンを押す。
社長、と呼ばれる度に声を発する。
その隣では雲雀紬の父親が、眠気まなこで自分の携帯を手に取った。
同様に電話が鳴っていたのだ。
同じく電話に出た所で、二人同時に目を覚ました。
その内容があまりにも衝撃的な物だったからだ。
「そんな…!困るわ!ウチには病弱な娘がいるのよ!?」
「そんなの困ります!ウチは病気がちな娘がいるんです!!」
ほぼ同時の両親の声。
何度も「困る」と連発している。
「そっちで何とかして頂戴!私は行かないわよ!」
「すみません!何を言われても私は行きません!」
怒り口調が更にヒートアップする。
『申し訳ございません!こちらも最善を尽くしたのですが…どうしても社長じゃなきゃ、』
『申し訳ない!私も何度も言ったんだ。だが…どうしても雲雀シェフでないとと、』
別々の電話。しかし、どうも似たような話が聞こえてくる。
『行き先は、ロンドンです』
『行き先は、ロンドンだ』
それは同時に響いた。
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