白鳥学園、いきものがかり
「…どういう事だ?」
「ご…めんなさい」
玄関先で目を見開く実くんを前に私は深く頭を下げた。
「本当にごめんなさい。来てくれたのに…」
耳に掛けていた髪が落ち、もう一度掛け直す。
その手はさっき掴まれていた方の手——————。
「ッ!紬!何があった!?」
「え?きゃ…!」
手を掴まれ、袖を捲られた。
そこにはくっきり残る痕。
……え?なんでこんな風に残っているの?
確かに痛かった。
痕も残ってた。
だけどすぐに消えると思ってた。それに痛みも……、
——————ズキン、
指先が震えるほどの痛みが継続的に襲ってくる。
「気安く紬に触れないでくれませんか」
背後からだった。
実くんの手を弾き返し、私の手を取ったのは。
「梟木?…まさかお前が、」
「おはようございます。所で…教師でもあろうお方が何故ここへ?教師が生徒を送り迎え等しても大丈夫な事なのですか?あらぬ誤解をされない努力をした方が身のためですよ」