白鳥学園、いきものがかり




「お前、さっきから紬に何をごちゃごちゃ言ってるんだ?」


実くんは凪の肩を思いっきり力強く掴んだ。
眉間に皺を寄せ、怒り任せの荒々しい言葉遣い。

私に見せた事の無かった実くんの姿に身震いした。



「…教師がこんな事してただで済むとでも?」



冷たく言い放つ凪の胸倉を掴む実くん。
そんな事を言われても、実くんは手を離そうとしなかった。


鋭く尖ったような空気。それがピリピリと肌に感じて、動いたら刺さるんじゃないかってぐらい。


……どうしよう…、私、
どうしたら…いいの…?


止めようにも、どうやって止めたらいいのか全く分からない。

頭の中がぐるぐると渦巻いてる。


何を言っていいのか分からず、ぎゅっと唇を噛んだ時だった。



——————ふわり、
と肩に何かを掛けられた。


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