白鳥学園、いきものがかり
「紬、降りる時はどうしたいんだ」
傑の言うそれは、自分で降りるか抱えるか。その二択である。
自分の残りの体力は……10%、あるのかな。
自分の事なのに分からない。
さっきは自分でって言ったから、のんびりゆっくり上って来たけど。
……三段目でもう息切れ開始だったなんて。こんなに体力無かったかな。
で、でも!
降りるだけならきっと!
「だ…ハァ…じょぶ!」
「…無理そうだな」
そんな事ないよ!
多分…そんな事ない…。
自信が段々無くなって来たけど。
多分…大丈夫…なはず。
傑が手を伸ばしてくるが、その前に紘が私を抱え上げた。
「ひ、ゃ!」
階段でそんな事するから吃驚した。
紘に抱き着く形で自分を落ち着かせる。
「俺がやる」
「…は?」
ひ、ひろは背が大きいからちょっと怖いんだよね…。
「紬ちゃん、家帰ったら僕がぎゅってするね?」
「何勝手に決めてるんですか。俺がしますので退けてください」
「俺も、紬抱っこしたい」