白鳥学園、いきものがかり


「紬、降りる時はどうしたいんだ」


傑の言うそれは、自分で降りるか抱えるか。その二択である。


自分の残りの体力は……10%、あるのかな。

自分の事なのに分からない。


さっきは自分でって言ったから、のんびりゆっくり上って来たけど。

……三段目でもう息切れ開始だったなんて。こんなに体力無かったかな。

で、でも!
降りるだけならきっと!


「だ…ハァ…じょぶ!」

「…無理そうだな」


そんな事ないよ!
多分…そんな事ない…。


自信が段々無くなって来たけど。
多分…大丈夫…なはず。


傑が手を伸ばしてくるが、その前に紘が私を抱え上げた。


「ひ、ゃ!」


階段でそんな事するから吃驚した。
紘に抱き着く形で自分を落ち着かせる。


「俺がやる」

「…は?」


ひ、ひろは背が大きいからちょっと怖いんだよね…。


「紬ちゃん、家帰ったら僕がぎゅってするね?」

「何勝手に決めてるんですか。俺がしますので退けてください」

「俺も、紬抱っこしたい」


< 14 / 157 >

この作品をシェア

pagetop