白鳥学園、いきものがかり
っ、なぎ。
傑の服の袖をつんつんと引っ張った。小さく引っ張ったけど、傑は分かってくれたみたい。
すぐに私の方に耳を傾けた。
「…なぎ、」
ヒュー…、
まだ喉の奥が苦しい。
上手く言葉に出来そうにない。
「……すぐ、る、凪も…」
”そばに居て欲しい。”
「…大丈夫。ちゃんと言っておくよ。
だから紬は安心して、寝てていいんだよ」
…ほんとう?
良かった伝わったんだね。
凪の方に視線を向けて唇を緩めた。
私は大丈夫。痛いのも苦しいのも慣れてるの。よく知ってるでしょ?
喘息の呼吸音と、継続的に痛む手首。
…大丈夫。
大丈夫だから。
そんな顔しないで。凪。
——————ズキン、
そう思いながら、ゆっくりと目を閉じた。