白鳥学園、いきものがかり
…おかしいな。
まだ言ってなかったような。
「おばさんから今朝メール来たからねっ。もう知ってるよ~」
「ママが?」
「うん。俺も来た。紬の事、よろしくって」
累のメール画面を見た。今朝学校行く前の時間に五人に一斉送信していたみたい。
「紬、口開けて」
私の口元に一錠だけ持ってくる傑。
「自分で飲め…」
「いいから。開けろ」
拒否権ないと言わんばかりに近付いてくる。
「雲雀が自分で飲め」
実くんが言った。
…そのつもりなんだけど。
ペットボトルでさえ凪が持ってる。薬を飲んだ後にすぐに飲めるように隣で待機してる。
「お前らがいつまでも一緒なわけじゃない。いつまでも雲雀を甘えさせんな」
そう、だよね。
ズキンとする胸を抑えつつ、その通りだと思った。
私がみんなに甘えすぎてるんだね。
ずっと一緒に居てくれるわけじゃないのに。
いつかは離れて行ってしまう存在なのに…。
今も…既に遠い存在になってるようなものなのに。