白鳥学園、いきものがかり



ぶどうゼリーと白桃ゼリー。それからバニラアイスとトッピング沢山の抹茶アイス…。


この中なら一番軽そうなのは、バニラアイスだよね?

蓋付きだから残しても冷凍庫の中に入れられそうだし。



「バニラアイス、がいいな」



傑が蓋を開け木製のアイススプーンの包装紙を破り、一口すくう。


「ほら、口開けて」

「傑…?」


もしかして…これもなの?

ニコニコ笑顔の肯定。


否定したら傑の機嫌が悪くなりそう。
…でも恥ずかしい。


「自分で食べるから…」

「いいから」


差し出されたアイスの前に手を出した。



「紬、」

「調子もいいし、自分で出来るから」



”お前らがいつまでも一緒なわけじゃない。”


実くんの言葉が巡る。

…いつかは離れてく。


今も既にそうなりかけているのに。

きっと高校を卒業したら離れ離れになる。
そんな時が来たら私は——————、


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