白鳥学園、いきものがかり
「…風邪引く前に着替えないとな」
額に唇が触れて手首が自由になった。
新品のネクタイは既に皴だらけ。
迷うことなくチェストからパジャマを引っ張り出す。
…なんでこんな所まで知ってるんだろう?
そしてもう一つ。
「下着も新しいのにするか」
「っ!?」
上から二段目の引き出し。
な、なんで…!?
引き留めようとベッドから出るが、それと同時に足の力が抜けた。床に膝が付く前に傑が私を支え抱える。
「急に立つからだ。着替えもしてやるからここで待ってろ」
そう言ってからまた額にキス。
「っ…!今日は雑誌の撮影があるんでしょ!遅刻しちゃうよ!」
「ああ、来週に持ち越したから心配しなくていい。紬の方が大事だからな」
「ま…またマネージャーさんを困らせたんでしょ!?」
「あいつが俺を芸能界に無理矢理誘ったんだ。我儘も大目に見るって言ってな。それぐらいやってもらわねーと、だろ?」