白鳥学園、いきものがかり
不服で憂鬱な梟
翌朝、
いつもよりちょっぴり眠たい目を開けて、制服に着替えた。
夜更かしって眠たくなるんだね。
でも…全然悪い気はしないや。
「…えっと、どうやるんだっけ?」
最後の最後。
ネクタイを首に掛け動きを止めた。
白鳥学園は学年ごとにネクタイを色分けしている…が。
制服自由に近いからネクタイじゃなく、
リボンに変えている女生徒。
ネクタイすらしない生徒がほとんどだった。
多分、しっかり上まで閉めているの数えるぐらいじゃないかな。
「こうやって…こう?」
「またネクタイで悩んでいるんですか?」
背後からの声に吃驚した。
振り返ると、ドアに寄り掛かる凪の姿。
マスクを外したナギ様である。
「な、なぎ…?」
「おはようございます。紬」
いつの間に…開ける音も全然しなかったけど…。
「貸してください」
慣れた手つきで、あっという間に出来てしまった。