白鳥学園、いきものがかり
仕方ない。
座れば紘も納得するよね。
ふわっ…。
わあ、凄い。
ふわふわしてて、座り心地抜群。
さっきまで過保護だなぁ、なんて思ってた自分はもういない。
「…お前あれって」
「紘、ありがとう!」
あっ!
凪と被ってしまい口を紡ぐ。
紘は笑うと私の頭を撫でた。
「ひ、ろ」
「なんだよ?」
朝は不機嫌だったのに、今はちょっとご機嫌っぽい気がするのは気のせいかな?
その後ろで翔と凪がヒソヒソ話。
「あれって一個十万ぐらいするやつじゃなかった?」
「特注品のやつだな…チッ、抜け駆けしやがって」
……なんだか、後ろの二人が凄く吃驚する事言ってる気がするんだけど。
これも…気のせい、かな…?
気のせいだよね…??
そんなこんなでチャイムが鳴った。
自分の席に戻る三人に手を振って、後ろのドアをチラり。先生は前から入って来るし、それ以外の人は入ってこない。
傑と累は…来れないのかな。
忙しいから仕方ないけど。
やっぱり二人もいないと寂しい。
そんな我儘言えないけど。