冷徹上司の、甘い秘密。
「……そんなの後でどうにでもなるから、こっち来て」
ギュッと抱き締められて耳元で囁かれる。
待って、甘い。糖度が高過ぎる。
「はっ、顔真っ赤」
「な、課長のせいでしょ!」
「だーからそれ辞めろっての」
「……綾人さんのせい、です」
「ふーん?まぁそういうことにしといてやるよ」
したり顔の課長……じゃなくて綾人さんに腹が立つ。
でもその顔がかっこいいと思ってしまうから、もっと腹が立つ。
そのままソファに促され、座った綾人さんの膝の上に向き合うように座らされて抱き締められる。
恥ずかしくて、ギュッと抱き付いた。
「……歩」
「っ!」
いきなり耳元で名前で呼ばれて、思わず肩を跳ねさせて赤面した私に綾人さんは腕を緩めるとちゅっとリップ音をたててキスをする。
「なっ……」
その一連の動作が凄く自然で、翻弄される自分が恥ずかしいやらどこか嬉しいやら、やっぱり悔しいやら。
色々な感情が混ざり合って心臓が忙しない。
「明日の予定は?」
「……一日暇です」
「よし、じゃあ今日も泊まりな」
「……え!?」
「何か問題でも?」
「……ございません」
当たり前のように連続でのお泊まりが決まる。
綾人さんは満足気だ。