冷徹上司の、甘い秘密。
「そ、そんな顔してませんっ」
「いやしてた」
「なっ……」
一体それはどんな顔なんだと悶々としていると、ゆっくりと離れた身体。
「……綾人さん?」
言うが早いか、私を見下ろす目が近付いたかと思うと優しく重なった唇。
唇を吸い取るようなキスから、段々と深いキスに変わっていって。
外でこんなことをしている背徳感が体の奥底の欲を煽る。
必死で綾人さんのキスについていこうとしているうちに息は上がり、次第に頭はボーッとしていた。
唇が離れた時には腰が抜けかけていて、綾人さんが支えてくれていなかったらそのまま倒れていただろう。
「……これくらいで腰抜けるようなら、朝まで持たないぞ?」
「あっ……朝まで……!?」
「もちろん。今日は寝かすつもり、無いから」
「せ、せめて晩ご飯食べてシャワー入りたいです……」
「じゃあ俺ん家で飯食って一緒に風呂入れば解決だな」
「一緒に!?」
「何だよ、何か文句ある?」
「……無いです……」
言いくるめられた気しかしない。一緒にお風呂だなんて、心の準備が……。