冷徹上司の、甘い秘密。
Third
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「……ん」
どこか遠くから聞こえるいつものアラーム音。
それを止めようと顔の横をペタペタと探る手。
いつもなら手の届くところに置いているのに、今日は中々見つからなくて。
数十秒してやっと手に当たったスマホに手を伸ばし、なんとかアラームを止める。
眠くて開かない目。それを無理矢理こじ開けると目の前には綺麗な寝顔のドアップが。
「っ!?」
驚いて思わずバッと起き上がる。すると自分の一糸纏わぬ姿が目に入り、慌てて布団の中にもう一度戻った。
……待って待って待って待って。
一気に目が覚めるとはこのことか。眠気などどこかに吹き飛んだ。頭の中はパニックで手が震える。
冷や汗が止まらない。
私の慌ただしい動きのせいで目が覚めたのか、隣の影が軽く伸びをして。
薄く開いた目。
「……はよ」
「……おはよう、……ございます」
いつも以上に低い声に、また心臓が激しく動き始めた。私の上擦った声に課長は完全に開ききらない目が垂れる。
「あ、の……私、昨日……」
お互い何も着ていない姿。腰の鈍痛。
何があったのかは一目瞭然だ。