冷徹上司の、甘い秘密。
【KK】は、大手のおもちゃメーカーだ。
子ども向けのものから大人も楽しめるものまで幅広く手掛けている。
今回はそんな【KK】と提携し、新たな商品を共同開発するべく、その提案に訪れた。
東京本社の社員もずっと口説いていたようだが、今回課長の古い知り合いが【KK】にいるらしく、口利きしてくれて課長との商談の機会をいただいたのだと言う。
打ち合わせはスムーズだった。
相手方の反応も好感触で、おそらく問題無く契約に至るのではないかと課長は言っていた。
今日はこのアポがメインだったため、堀井さんに見送られてエントランスを抜けてから休憩がてら食事に行こうとなった。
「何系が食べたい?この後は夕方のアポだからしばらく時間あるぞ」
「そうですね……どうせならここでしか食べられないものが食べたいですね」
「確かにな」
「でも東京の名物って……?」
私は東京には旅行で数年に一度来る程度。土地勘も無ければ知識も無い。
「……適当に歩くか」
どうやら課長も似たようなものらしく。
「……はい」
次のアポ先に向かう道中で探すことになった。