冷徹上司の、甘い秘密。


 しかしコンサートと言っていたからおそらく他のホテルも似たようなものの可能性が高い。


 無かったら最悪ネットカフェか……?


 課長も同じことを考えているのだろう。腕時計と私の顔を見比べていた。



「……課長」


「……何だ」


「……どうせもう寝るだけですし今から空いてるところを探すのもお互いしんどいので……。
課長さえ良ければ私は同じ部屋でも大丈夫です」



 恥ずかしくて、顔が赤く染まるのがわかる。
目を合わせづらくて下を向いた。



「……本当にいいのか?」


「……はい」



 数秒の沈黙の後。



「……チェックイン、お願いします」



 ルームキーを二つ受け取った。

< 65 / 186 >

この作品をシェア

pagetop