冷徹上司の、甘い秘密。
Fifth
飛行機で北海道に帰ってきた私達は、空港で別れてそのまま直帰した。
偶然にも恭子さんも同じ飛行機で、席は遠かったため搭乗するまでずっと課長と話していた。
私は気まずくて、やはり愛想笑いしかできていなかったと思う。
適度に話題を振ってくれたものの、上手く言葉のキャッチボールをすることができなかった。
恭子さんに不快な思いをさせてしまってはいないだろうか。少し不安になる。
私はそのまま逃げるように空港の入り口で別れたものの、その後食事に行くと言っていた二人。お互い荷物を置きたいと言って一先ず解散したようだが、どうなったのかが物凄く気になってしまう。
好きと気付いてしまったら、モヤモヤした気持ちは晴れたものの。
今度は嫉妬が止まらない。
しかしだからと言って連絡しようにも何と言えばいいかはわからない。
私も一緒に行かせてください……は無理だし、行かないでください……って言うのも意味不明だろう。理由を聞かれたらお終いだ。
……詰んだ。
自宅のベッドの上で枕に顔を押し付けた。