冷徹上司の、甘い秘密。



「なんか凄くお似合いの二人でしたね」


「わかります!課長って今まで浮いた話無かったから最初凄く不思議な感じでしたけど、美男美女な大人カップルって感じで素敵でしたね」



 そんな二人をべた褒めする声に、私はどうしようもなく嫉妬してしまう。


 言われてみればただの同期にしては仲が良すぎる気もする。


 課長は何も言ってはいなかったものの。


 ……もしかして、二人は昔付き合っていたりしたのだろうか。


 そんなことが頭をぐるぐると駆け巡り、気が付けばすぐに皆飽きたのかその場を離れていた。




 それからというもの、恭子さんと課長は目に見えて一緒にいることが増えた。


 というのも恭子さんが課長をよくランチに誘いに来るのだ。


 そしてあまりにも気になってしまった他の社員が、恭子さんに尋ねたところを偶然私も聞いてしまった。



「坂本さんは飛成課長とお付き合いなさってるんですか?」



 給湯室から出ようとした時、その言葉がすぐ近くから聞こえた瞬間に私の体は固まって。



「え?はは、まっさか。……まぁでも、昔の話だけど確かに少しの間付き合ってた期間はあったわよ」



 ドクン、と鳴った心臓。すぐにキュッと締め付けられるように痛む。

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