冷徹上司の、甘い秘密。
「……合コン?」
「そうなんです!私の友達が消防士で職場の人で今フリーな人がいたら紹介して欲しいって言われてて。明日なんですけど、行きませんか?」
「えぇー……?ていうかそもそも何で白石ちゃん私が今フリーって知ってるの?」
「あぁ、相田さんに誰かいないかって相談したら"金山今フリーだから誘ってみて!"って言ってて」
「……はぁ」
頭を抱える。
「相田さんが心配してましたよ。男で傷付いたなら男で癒せ!って」
「……果たしてそれは心配と言っていいものなの?」
「……ははっ、相田さんらしいですよね」
「本当、ある意味尊敬する」
顔を引きつらせながらそう返すと、白石ちゃんは可愛らしく微笑んだ。
「ね、だから行きましょう!新しい出会いを求めに!」
「……わかったよ……」
……合コンかあ。久しぶりかも。
白石ちゃんが他に誰を誘っているのかは知らないけれど、私が一番年上だろうから浮いちゃいそうだな、なんて。
「じゃあ決まりですね!」
「うん」
頷いて、パソコンに視線を戻した。
あれから、私から課長には必要以上に話に行かなくなった。
それは何となく、気まずくて。
頭の中で色々な気持ちがせめぎ合い、どんな顔をして良いか分からなくなるのだ。