ちゅ、
碧くんがくれた紙袋の中身はハンカチだった
翌日、早速そのハンカチをカバンに入れて出社した
お盆休みに入って、ネイルを変えて碧くんと映画を観に行った
家に帰ってまたセックスをする
碧くんのものを咥えて、前よりは少しコツを掴んだかなと思っていたら、イったあとの碧くんが少し不安げな顔をした
「なんか急に上手くなってない?」
「ほんと?」
「なんかした?」
私はその質問の意味がわからなくて、なんかって何?と聞き返す
「練習っていうか…」
「どうやったら気持ちいいかネットで調べたりはしたよ」
「そっか」
後で聞いたら、私が碧くん以外の人で練習したんじゃないかと思っていたらしい
それを聞いて、私が潔癖症なのを知ってるのによくそんなこと考えるよね、と笑い飛ばした
お盆の間、獣のようにお互いを貪り合って、たまに出かけて、連休を楽しんだ
セックスの時、私が碧くんのものを咥えるのもほとんど毎回になっていた
お盆が明けて次の土曜日までの間に生理がきて、碧くんに「残念なお知らせ」と冗談めかしてラインを送った
「一週間は我慢だね」と返事がきて、うっかり顔が緩む
週末はディズニーランドに行って、朝から夕方までしっかり楽しんだ
夏だし、せっかくのディズニーだし、と普段履かないミニスカートを履いて行ったら、碧くんが「その格好を俺以外に見せたくない」と言った
まるで学生のようなやり取りに、学生時代になかった青春を今体験してるようだった
ディズニーから帰る途中、特に何も打ち合わせずにホテルに寄る
碧くんはしつこいくらい私の脚を撫でて、独占欲丸出しだった
私を実家まで送って、何度もキスをして碧くんは帰った
翌日、会社がコロナの影響で週二でリモートワークに切り替わることが伝えられた
それを聞いて、リモートワークの前日だったら碧くんの家に泊まれるな、とすぐに考えた
一週間後、碧くんの家に向かう準備をしてる私に姉が「今付き合ってる人とはうまくいってるの?」と聞いてきた
「うん」
「結婚する確率どれくらい?」
「さあ?8割くらいかな」
急に何でそんなこと聞いてくるのかわからなくて、曖昧に答える
姉はそれ以上は追及してこなかった
碧くんと落ち合って、いつものように休日を過ごす
土曜日の夕方、碧くんの家に碧くんの高校からの友達の椿さんとその彼女、翠さんが遊びにきた
初対面でちょっと緊張しながら話す私はまるで借りてきた猫のようだった
お酒を飲んで少ししたらいつものおしゃべりな私になった
日付が変わった頃に二人が帰っていった
ずっと隣に座ってるのにお預けされてた私は、二人を見送って家に戻ると同時に碧くんに抱きついてキスをせがんだ
キスもハグもよく我慢できたと思う
お風呂に入る前にセックスをして、お風呂でもして、碧くんの腕の中でぐっすり眠った
前よりも頻繁に会えるのが分かっていたから、日曜日が全然苦痛じゃなかった
次の日も仕事終わりに碧くんの家に行って、翌朝実家に帰って仕事をした
こんなに会っても飽きないし足りない
週末に碧くんの家族とご飯を食べることになった
前会ったばかりでは?と思ったけど、断る理由も無いし、碧くんが近いうちに実家の仕事を継ぐのもあって、二つ返事で了承した
連れて行かれたのは立派な懐石料理のお店で、私は果たして食べれるものがあるのかと心配になった
私の実家との格の違いというか、家族の仲の良さだったり経済的な差を感じて、私は萎縮してしまった
誰にも悪気はないし、実際誰も悪くないけど、私って意外と実家の背景に執着してるんだなと感じた日だった