One week or more?
出発
【第2木曜日】
今日は麻衣子の誕生日だ。
同僚の正人が空港まで送ってくれた。誕生日のプレゼントを持って。
1月の誕生石、ガーネットのペンダント。早速つけて飛行機に乗ることにする。
子どもの頃家族旅行でハワイに発った日も麻衣子の誕生日だった。友達が集まって誕生日を祝ってくれ、その足で成田からハワイに向けて発った。日付変更線を越えてハワイに降り立った時、日付は変わらず、麻衣子はハワイで今度は家族に誕生日を祝ってもらった。そのことを思い出していた。
ケアンズと日本では時差が1時間しかないので、時差ボケも無い。時計を1時間進めるだけだ。今はサマータイムだから更に1時間進めることになるか。
「麻衣子、仕事頑張れよ」
「当り前よ。正人が一番よく知ってるでしょう?」
「そうだな。最終的に現地法人の立ち上げをすることになりそうだから、もしかしたら麻衣子が行きっ放しになるんじゃないかと心配だ」
「なんでそんな心配するのよ(笑) 骨を埋める覚悟だったらどうする?」
「冗談だろ」
「冗談よ」
「悪い奴だ」
最後のお別れに力を込めて正人は麻衣子を抱きしめた。
「痛い痛い。まるで今生の別れみたいよ。1年なんてあっと言う間なんだから」
ドラマなら、帰って来たら結婚しよう、とでも言いそうな場面だ。だが麻衣子はもう結婚しないと決めている。こうやって自由に男たちの間を渡り歩き続けるのだろう。かっこいい生き方だ。
今日は麻衣子の誕生日だ。
同僚の正人が空港まで送ってくれた。誕生日のプレゼントを持って。
1月の誕生石、ガーネットのペンダント。早速つけて飛行機に乗ることにする。
子どもの頃家族旅行でハワイに発った日も麻衣子の誕生日だった。友達が集まって誕生日を祝ってくれ、その足で成田からハワイに向けて発った。日付変更線を越えてハワイに降り立った時、日付は変わらず、麻衣子はハワイで今度は家族に誕生日を祝ってもらった。そのことを思い出していた。
ケアンズと日本では時差が1時間しかないので、時差ボケも無い。時計を1時間進めるだけだ。今はサマータイムだから更に1時間進めることになるか。
「麻衣子、仕事頑張れよ」
「当り前よ。正人が一番よく知ってるでしょう?」
「そうだな。最終的に現地法人の立ち上げをすることになりそうだから、もしかしたら麻衣子が行きっ放しになるんじゃないかと心配だ」
「なんでそんな心配するのよ(笑) 骨を埋める覚悟だったらどうする?」
「冗談だろ」
「冗談よ」
「悪い奴だ」
最後のお別れに力を込めて正人は麻衣子を抱きしめた。
「痛い痛い。まるで今生の別れみたいよ。1年なんてあっと言う間なんだから」
ドラマなら、帰って来たら結婚しよう、とでも言いそうな場面だ。だが麻衣子はもう結婚しないと決めている。こうやって自由に男たちの間を渡り歩き続けるのだろう。かっこいい生き方だ。