オスの家政夫、拾いました。1. 洗濯の変態編
2章:パンティーには執着禁止
オフィスにあるプリンターは休む暇もなく次々と紙を吐き出す。その前で彩響はピリピリした表情で作業が終わるのを待った。彼女がイライラしている理由は一つ、それは…
「これ、やっぱり色味違いますよね?」
佐藤くんが隣で質問する。そう、以前撮影したジャケットの色味が、いざ印刷すると微妙に違う色になってしまうため、何回も調整している最中だった。結果物の確認のため、二人は何度も白い天井を見ながら疲れた目をリセットする。もうこれで何回目なのか、ピリピリしながらプリンターの前に立っていると、佐藤くんが口を開けた。
「いやーマジ困りますね。俺もう目がチカチカしてなんも分からないっすわ」
「そんなこと言わない。いつものことでしょ?」
「俺、マジ峯野主任のこと尊敬してますよ。男だらけのこんな職場にずっと生き残って、いい加減なやつらより全然仕事も出来るし、まさに『キャリアウーマン』って感じしませんか?俺、主任みたいになりたいっす!」
「佐藤くん、褒めてくれてありがとう。でもそういう話は、まずファイルの整理ができるようになってから言おうか」
「はい!」
佐藤くんは昨年入社した若い新人で、ハキハキしたいい性格をしている。まだ慣れてない部分もあるが、将来性のある青年だと彩響は思った。最近は彩響の下で細かい作業を手伝ってくれている。
「でも主任、心配ことでもあるんすか?」
「え、どうして?」