オスの家政夫、拾いました。1. 洗濯の変態編
普段はディスるくせに、人前だからなのか、編集長が珍しく彩響のことを褒めた。編集長のこんな気持ち悪い行動はいつものことなので、彩響も普通に挨拶を交わした。
「はじめまして。Man's Cloverで主任を勤めております、峯野彩響と申します」
「男性雑誌だから全員男性社員かと思いましたけど、こんな若い女性もいらっしゃったんですね。驚きです」
「いいえ…いつもお世話になっております。これからもよろしくお願いします」
自分の仕事を紹介するとき必ず言われることで、もう慣れている。実際そこまですごい仕事やっているわけでもないが…。お互い名刺を交換したあと、彩響はやっとウェイターが運ぶグラスを一つ取ることができた。普段より高めのハイヒールで足がそろそろ痛いなと思うころ、お尻になにか変な感触を感じた。
「…!編集長?!」
振り向くと、さっきの大山編集長が立っている。自分がしたことを隠す気は全くないらしく、手はそのままで気持ち悪い笑みを見せる。
「おい峯野。お前なんか色気やばいな。そのドレス凄く似合ってるぞ」
「……」
「…っ、なんだよ、その目。気色悪いな。減るもんじゃないし、ちょっとぐらい触らせろよ。一応褒めてるんだぞ?」
彩響はなにも言わずただただ編集長を睨む。このインタビューを取るため彩響がどれだけ苦労したのか、こいつは知っている。知っているからこそ、ここで騒ぎは絶対に起こさないと分かっているからこそ、わざと狙ってこんなことをしているに違いない。悔しくて歯軋りしながら、彩響は我慢する道を選んだ。
「編集長。せっかくのいい機会を無駄にしたくないので、ここでおやめください」
「はじめまして。Man's Cloverで主任を勤めております、峯野彩響と申します」
「男性雑誌だから全員男性社員かと思いましたけど、こんな若い女性もいらっしゃったんですね。驚きです」
「いいえ…いつもお世話になっております。これからもよろしくお願いします」
自分の仕事を紹介するとき必ず言われることで、もう慣れている。実際そこまですごい仕事やっているわけでもないが…。お互い名刺を交換したあと、彩響はやっとウェイターが運ぶグラスを一つ取ることができた。普段より高めのハイヒールで足がそろそろ痛いなと思うころ、お尻になにか変な感触を感じた。
「…!編集長?!」
振り向くと、さっきの大山編集長が立っている。自分がしたことを隠す気は全くないらしく、手はそのままで気持ち悪い笑みを見せる。
「おい峯野。お前なんか色気やばいな。そのドレス凄く似合ってるぞ」
「……」
「…っ、なんだよ、その目。気色悪いな。減るもんじゃないし、ちょっとぐらい触らせろよ。一応褒めてるんだぞ?」
彩響はなにも言わずただただ編集長を睨む。このインタビューを取るため彩響がどれだけ苦労したのか、こいつは知っている。知っているからこそ、ここで騒ぎは絶対に起こさないと分かっているからこそ、わざと狙ってこんなことをしているに違いない。悔しくて歯軋りしながら、彩響は我慢する道を選んだ。
「編集長。せっかくのいい機会を無駄にしたくないので、ここでおやめください」