性悪なヤツらの取り扱い方を教えてください。
すると男も『よし。』と承諾し鞄から1枚の紙とボールペンを取り出し私の方へ向けてテーブルに置いた。
見るとそれは“契約書”
アパート契約のときと似ている内容のもの。
初対面の男からの提案に何の疑いもせず
さっそく私は隣の席に座り
ボールペンを手に取って深く考えずにサインを始めた。
そして印鑑を鞄から取り出しながら
今更ふと疑問に思った事を訊ねてみる事に。
「ところで新居の内見は？
それと仕事ってどんな事をするんです？」
ちょうど名前横に印を押し“契約が完了”
男は答える前に奪い取るように横からスッと契約書を抜き去った。
「詳細は当日までのお楽しみだ。
まぁ宜しくやってくれ」
私の書いたサインと印鑑を確認した男は
目を合わせる事なくその一言だけで済ませてしまい、聞き返そうにもタイミング悪く奥の部屋から店長が戻ってきて2人は何やら仕事の話を始めてしまう。
アパートの契約って
こんなにアッサリしていて良いものなのか？
何かもっと説明やら手続きやらあった気がするんだけど…
本当に今更ながら
若干の不信感を抱きながらも
背に腹は代えられないからとこの話を受け入れ
仕事と立ち退きの期限を向かてしまった――――
