性悪なヤツらの取り扱い方を教えてください。
朝から息切れがするほどの興奮をし
大騒ぎの1日が始まるーーーーーー
「そうだ、氷彗。
お前には悪いんだけど
今日1日、詩菜を借りる」
さっきまでの騒がしい会話とは一変。
前触れもなく壱琉からの突然の誘いに
最初に驚いたのは、氷彗じゃなく私の方。
「えッ!?
か、借りる!?」
『なぜ?どうして?』と瞬きを数回繰り返す私の頭の中は
疑問でいっぱい。
今まで壱琉から何かに誘われた事なんて1度もなかったから、いきなり何事?
そしてなぜ氷彗の承諾が必要!?
「…わかった。
だけど変な事したら壱琉でも許さないよ。
早く帰ってきて」
今までそんなこと言った事がないのに
冷静ながらもしっかり釘を刺す氷彗に
調子を狂わされてしまう。
やっぱ先日のアレが原因なんだろうな…
「はいはい、了解です。
じゃぁ詩菜、今すぐ出掛ける準備をしろ」
「はッ!?えッ!?
今すぐッ!?」
「当たり前だろ。
さっさとしろよな」
どこに行くか大事な事は言わず
勝手ばっか言って自分は2階へと上がっていってしまう。
毎回思うけど壱琉は自己中だ。
おかげでこっちは毎回振り回される。
アレじゃモテないんだろうな。
顔は良いのに。
「氷彗、そういう事だから
食べ終わった食器だけ片付けお願い!」
「…わかった。
それと、詩菜」
「ん?」
「…気を付けて」