性悪なヤツらの取り扱い方を教えてください。
それを見て
『すみません…』と小さく謝罪。
すると、今までずっと後ろの方で腕を組んで黙り込んでいた壱琉が口を開いた。
「爺さんは足を骨折して、しばらく入院していたんだ。だからアパートの管理が難しくなった。退院してもあの家が高台だから通院も出来ねぇし。それで病院が併設している施設に入ったんだ」
「そうだったんだ…」
彼の話で、庭の花壇を大事にしている意味が少しわかった。
ついでに壱琉にも案外優しいところがある事も。
「壱琉は毎日、必ず顔を見せに来てくれて、その時に蓮見さんの話を聞いてたから呼んでもらったんじゃ」
「ありがとうございます。
私もまた会えて嬉しいです」
微笑んでくれる月影さん。
ずっと気にかけてくれていた事が嬉しくて
また会えた事にも感謝で…胸が熱くなる。
それに壱琉が毎日お見舞いに来ていた事も
全然知らなかったから…
意外だけど家族思いの良いヤツなんだって
少し見直した。
「壱琉は蓮見さんに迷惑は掛けていないかい?」
「え・・・っと・・・」
めちゃくちゃ答えづらい質問に目が泳ぐ、声が上ずる。
「おい、即答出来ねぇのかよ」
「む、無茶言わないでよッ」
背後から聞こえてくる壱琉の低い声に
私も振り返り月影さんに聞こえないよう小声で否定。