性悪なヤツらの取り扱い方を教えてください。
『迷惑なんて大概が大迷惑なんだから
嘘はつけないって』と付け加えて。
「壱琉には両親がいないから、寂しい思いもさせてきてしまったし、そのせいか少し不器用なところがあるが…性根は腐ってないぞ。
安心してくれて大丈夫じゃ」
「はい…」
月影さんの言葉が少し引っ掛かった。
壱琉に両親がいないって、いったい…?
「爺さん、俺の事をベラベラ喋んな。
クソ恥ずかしい。
話が終わったならもう行くぞ」
「えッ、もうッ!?」
壱琉は照れ臭いのか
逃げるように先に部屋を出て行ってしまうから
笑顔の月影さんに一礼し、すぐに後を追った。
「ったく、余計な事ばっか言いやがって」
廊下を歩きながらも
ブツブツ文句を言う壱琉。
ご両親のこと…
余程知られたくなかった?
それって、やっぱ…
「おい。乗らねーのか?」
「へ?」
考え事をしながら無意識に彼についていくように歩いていたみたいで、駐車場に到着していた事には、言われて初めて気がついた。
「なんつー顔してんだ」
「な、なんでもないッ」
いかん、いかんと首をブンブン振って
私も車に乗り込んだ。
家庭の事情はイロイロある。
それは氷彗の時によくわかった。
聞かれたくない事
知って欲しくない事
人それぞれ悩みや闇を抱えているのだからーー
「アンタさ
また勘違いしてんだろ」