性悪なヤツらの取り扱い方を教えてください。
確かにさっきも車の中で
私の額で体温を測っていたけれど…
まさかその時から異変に気付いていたって事?
自分自身ですら気が付かなかったのに?
「アパートと戸建てでも何かと違うけど
ここは高台だからな。
したとは温度差もあるし
慣れないところでの生活は最初はそうなる」
驚きすぎて目が《《点》》になってしまった。
今さっきまでバカにしていたのに
いきなりどうした?
「疲れが出たんだろ。
しばらくゆっくり静養しろ」
そう言い残し
何をするわけでもなく出て行ってしまう。
え、もしかしてわざわざそれを言いに来た…?
壱琉に限ってそれはないよね?
「そんな優しいわけがない…」
自分に言い聞かせるように何度も呟く。
顔が熱いのは、夏のせい。
絶対そう。
「詩菜?大丈夫?」
入れ替わりに冷やすものを持って戻ってきた氷彗。
手に持つトレーには
水の入ったペットボトルとタオルに氷水。
「あ、うん、大丈夫。
いろいろありがとうね」
「気にしないで…
…ちょっと、ごめんね」
「ん?」
氷彗はトレーをテーブルに置くと
そっと優しく私の前髪を分け
彼は自分の額を私の額に、コツン…と軽くくっつけた。
すぐ目の目には氷彗の整った綺麗な顔。
あとほんの数㎝ほどで唇が当たりそうな距離感。
ち、近いぃぃぃッッ