性悪なヤツらの取り扱い方を教えてください。
アイツに恋人疑惑?
夏バテから数日後
私の体力は全回復、バリバリ動けるほどに復活。
最初の異変に気付いてくれた壱琉は
普段はイラっとするくらい冷たいのに
その時はなぜか珍しく優しくて。
寝込んでいる間は氷彗からの手厚い介抱に
終始ドキドキしっぱなしだった。
あ、手厚いって別に変な意味じゃないけど。
元大家さんとも再会出来て壱琉の両親の事も知れて
ほんの少しずつだけど
ようやく壱琉の事もわかってきた気がする。
性格の攻略はまだまだ時間が掛かりそうだけど。
***
「ヤッベェ!遅刻だッ」
階段上から聞こえたきたのは
ドタドタと凄まじい足音と
壱琉の慌てた第一声だった。
「何、どうしたの?
アンタにしては珍しく寝坊?」
「うるせーな!
好きで寝坊したんじゃねーんだよ!」
「誰だってそうでしょ」
平日に仕事に行く社会人が
好きで寝坊する人はいないでしょうに。
それにしても今朝は本当にバタバタだ。
『朝飯はいらねぇ』って言いながら飛び出して行ったが
微かにシャンプーの香りがするのは
どうやら朝シャワーは浴びたらしい。
そこだけは譲らないのか。
それはそうと。
陽射しが照り付ける前に部屋の掃除を始めたい私は
壱琉が食べなかった朝食を冷蔵庫に入れ
食器の後片付けを終わらせると、さっそく玄関へ。