性悪なヤツらの取り扱い方を教えてください。
氷彗なら本人と連絡が取れるかもしれないと思い
私は彼の部屋をノック。
「会社の内線ならわかるけど…
そこまでしなくてもいいんじゃない?」
見つけた経緯を説明したけれど
案外、素っ気ない返答が返ってきた。
「スマホが手放せないって年齢でもないだろうし
壱琉に限って
たかが1日忘れただけでギャーギャー言うとは思えない」
れ、冷静すぎる。
さすがずっと一緒にいるだけの事はある。
「彼女っぽい人からの着信があったんだけどさぁ」
言いながらスマホを氷彗に手渡すと
彼も”不在着信 1件”の文字を目にし…
「まさか詩菜
壱琉のスマホの中、見た?」
当人ではなく
思い掛けない人物から軽蔑の眼差しを向けられ
ギクリ…と唾を呑み込んで必死に否定。
「ご、誤解しないでッ!
見たくて見たわけじゃなくて
着信のおかげで脱衣所に落ちてたのを見つけたんだから!」
むしろ拾ってあげた事に感謝してもらいたいくらい。
「彼女っぽい人って…
なんでそう思うの?」
「断定は出来ないんだけど…
”華恋”って名前だったから。
あんなヤツに彼女がいるなんてビックリ」
「そう?
昔からモテたし、いつ見ても違う人と一緒にいたから
女性からの電話であってもそれほど驚かない」
しれっと暴露してくれたけれど
聞いている私の方が愕然とした。