性悪なヤツらの取り扱い方を教えてください。

ソファでテレビを見ていた私は唖然。
あのバカ、どうしてこんな時間に女を連れ込んだ?

「詩菜、コーヒー淹れろ」

「わ、私ッ!?」

「他にいねぇだろ。
 ほら、早くしろ」

「…わかったよ」

『なんで私が?』とも思ったけど
ここは壱琉の家だし私は働かせてもらっている身だから
文句が言える立場じゃない。
よって、素直に言う事を聞くしかない。

「そう言えば…
 まだ自己紹介していませんでしたよね?」

「私…です?」

壱琉と向き合うように腰掛け
コーヒーの準備をする私の方を見ながら彼女に話し掛けられたけれど
この状況で自己紹介とか結構なんですが…。

「俺がその女を雇って
 ここで働かせているんだ」

こっちが答える前に
壱琉がザっと簡単で適当な紹介をしてくれたから
『まぁそれでいっか』って、あえて否定もしなかった。

「そうなんだ…
 壱琉の彼女さんかと思った」

「「誰がこんなヤツ!」」

ニコっとしながら冗談染みた事を言うものだから
つい私と壱琉は2人でハモってしまった。

我ながら息ピッタリすぎて情けない。

ん…?
今この人『壱琉の彼女かと思った』って言った…?
って事は恋人は自分じゃない?
じゃぁいったいどういう関係よ?
”華恋”だなんて下の呼び名で登録しているくらいだから
深い仲だとは思うんだけど…。




 
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