性悪なヤツらの取り扱い方を教えてください。
頭の中は混乱状態。
『うーん…』と考えながら2人にコーヒーを出すと
壱琉から冷たい視線が飛んできた。
『終わったらさっさと出て行け』
目がそう言ってる。
「ごゆっくり~」
だから私は当てつけのように
目が合った壱琉にニヤリと不敵な笑みを送ると
静かにリビングを出た。
もちろん大人しく部屋になんて戻らず
ドアの隙間からコッソリ様子を観察しているけど。
「何してんの?」
「し~ッ!中に入っちゃダメ。
壱琉が彼女らしき人を連れて来てるから!」
何事かと階段から降りてきた氷彗に
入室しないよう私は慌てて制止。
「…ふーん。
それで覗き?」
「あの人が例の”華恋”って人みたい。
いつもツンケンしている壱琉が心許しているんだよ?
誰だか気になるじゃない」
「…そういうものかな」
明らかに興味はなさそうだが
私の隣で彼も一緒にドアの隙間から覗いてくれる。
そして一言、思い出したように言った。
「あれ、あの人…」
「えッ、氷彗知ってんの!?」
「知ってるってほどじゃないよ。
挨拶したくらいのレベルだし。
だけどあの人って確か…
壱琉の《《元カノ》》、だったと思うよ」
「もと…かの?」
そのワードに衝撃を受けた。
現在進行形の彼女だとばかり思っていたから
《《元》》が付くなんて…
じゃぁ尚更おかしいでしょ。