性悪なヤツらの取り扱い方を教えてください。

この数日、壱琉の様子がどことなくおかしい。
”華恋さんに会ってから”…と言った方が正しいかもしれない。

煙草を吸いながらや
庭の花の手入れをしながらも
気付けば終始ずっと遠くを見つめボーっとしている。
考え事をしているようにも思えるが
これは本当に珍しい。

もしかして恋煩いでもしているんじゃない?
とは睨んでいるけれど…

黙っている我慢が出来なくなった私は。


「壱琉ってさぁ
 《《あの》》彼女の事が好きなの?」

日曜の昼食調理中
換気扇下で、あいっかわらずボーッとしながら煙草を吸う本人にド直球な質問をした。

「は?…んだよ唐突に」

しかめっ面に眉間に皺を寄せてこっちを睨んできたが、そんな反応はわかりきってる事。

「親しそうにしてたじゃん?
 アンタもデレデレだったし。
 だから好きなんでしょ〜
 ってか2人ってどういう関係よ」

「意味わかんねぇ。
 テメェには関係ねーだろ。
 人のプライバシーの詮索・干渉すんな」

ツンとしたまま煙草を灰皿へ押し付けて
キッチンから去ろうとする。

…って、わかってはいたんだけど
やっぱ答えるわけないか。


壱琉が2階の階段を上がるタイミングで
玄関のインターホンが鳴った。


この時、華恋さんが言ってた『またお邪魔します』の言葉の意味が、案外すぐにわかる事になるとはーーーーー
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