性悪なヤツらの取り扱い方を教えてください。
私にはその話が“妙”に感じた。
根拠も何もないけれど
嫌な胸騒ぎは更に強くなるばかり。
「何かされたのか?」
質問する壱琉の表情は険しくて
怒っているようにも思えるし
彼女は俯き加減に首を縦に振るが
今にも泣き出しそう。
「最初は尾行されている気がするなってくらいだったんだけど…知らないはずの私の携帯に無言電話が何度もあったり、家の場所もわかったみたいで外から見ているのがわかって…。
そしたら怖くなっちゃって…ッ」
ついに顔を覆うように涙を流し始めた華恋さんと
想像以上の彼女の話に、私は言葉を失った。
この前ここに来た時とは
まるで違いすぎる。
そんなこと匂わせてもいなかったし
微塵も顔に出ていなかった。
それどころかむしろ、私達の関係を知りたい一心にしか見えなかったのに。
ねぇ、待って?
この話は…本物?
「話はわかった。
男からの嫌がらせはマズイな…」
本当バカなのか単純なのか
壱琉は何1つ疑う事のなく
『どうするか…』と顎に手を当てながら
対策を考え始めだす。
「こういうのって
警察に相談した方がいいんじゃない…?」
見兼ねた私が横から口を挟むと
華恋さんから冷たく鋭い視線が一瞬向けられた。
睨まれた意味は
たぶん“邪魔するな”ってこと。