性悪なヤツらの取り扱い方を教えてください。
それほど好きなのはわかったけれど
だったら尚更危ない。
「壱琉…
どうしてそこまでして彼女を護りたいの?
彼女とは…どういう関係なの?」
あまりに聞く耳を持とうとしない壱琉に痺れを切らした私は、ずっと気になっていた事をついに聞いてしまった。
しかし彼は表情変える事なく電子タバコを加えながら
あいかわらずの口調で答える。
「今は何の関係もねーよ」
「《《今は》》って…」
「掘り下げんな」
以前に付き合っていた事は何も話そうとしない。
「相手がどんな人なのかわかんないんだよ?
屈強な男でケガでもしたらどうするの?」
「アンタは俺の母親かよ」
「は、母親!?」
『失礼なヤツだな!勘弁してほしいわ!』って
思わず心の声が漏れそうになり慌てて深呼吸。
「…ったく、こっちは壱琉を心配してんのに」
「心配…ねぇ…」
何を思ったのか壱琉は急にソファから立ち上がると、私に近付き威圧的な目つきで上から見下ろしてきた。
「な、何よ…」
ガン飛ばされるほど怒らせるようなこと言った?
「詩菜こそ
どうして俺をそこまで気にすんだよ」
「え…?」
「まさか…」
「ッ!?」
『まさか…』と言い掛けて
彼は突然私の首に右手をまわし
ラインに沿うように鎖骨辺りまで指で触れながら
細目にニヤリと笑みを浮かべて言う。
「俺に惚れた?」