性悪なヤツらの取り扱い方を教えてください。
*成り行きで、そうなります?
お昼時なんて既に過ぎていて
空腹のピークも終わってしまったから
食事は諦めこのまま来た道を戻る事にし
向かう先は駅。
ポケットからスマホを取り出し地図アプリを開くと、さっそく検索。
駅からタクシーで10分は走っていたから
それを徒歩にすると、目安は…
「1時間半!?」
思わず画面に向かって声を発してしまった。
恐るべし、歩き。
「仕方ないか…」
もし遅くなるようなら
今夜は駅付近のビジネスホテルかどこかに泊まって、今後の事は明日考えよ。
そんな楽観的な気持ちで進み始めた。
けれど世の中そう上手くはいかないもので
雨はパラパラと降り始め
持ってきたはずの折り畳み傘はバッグに入っておらず、雨具の手段が断たれてしまう。
よりによって雨宿りが出来る場所も近くには見当たらない。
「《《災厄》》って、こんなに続くのね…」
まさに踏んだり蹴ったりとはこの
『はぁ…』と溜め息を吐きながら
まずは雨宿りが出来そうな場所を探す事にした。
丘の上から見下ろす景色は
本来なら綺麗なはずなのに
今は不快な風景にしか見えない。
降り始めた雨足は強くなる一方で止む気配が感じられず、それに伴って体も冷えていく。
「寒ッ」
冬の寒さとは別に
梅雨時の雨はまだ意外と寒いから。