性悪なヤツらの取り扱い方を教えてください。
目の前の彼は
マイペースにコーヒーを飲みながら
あいかわらず何を考えているのかわからない無表情で一言、ポツリ。
「西園寺…氷彗」
「あ、ありがとう…」
名前1つ聞くだけで
こんなに時間が掛かるとは…。
そろそろコーヒーも飲み終わるし
朝食の準備でもしようかと
私は彼に提案する事に。
「朝ご飯は食べた?
もし良ければ何か作るけど…」
「俺、朝は食べないから。」
「あー…そう」
撃沈とは、まさにこういう事なのか。
何に興味があるのか
そもそも何でこんなにドライなの。
え、大人版の中二病じゃないよね。
「キッチンは好きに使えば?
今日からここに住むなら許可なんていらないでしょ」
「ど、どうも…」
月影さんと言いこの人と言い
ここは捻くれ者の集まる家なのかと
先が思いやられながらコーヒーカップをシンクに片付け、すぐ隣に設置されている大きな冷蔵庫を開けてみた。
うわぁ…
ビール以外ほとんど何もない。
あるのは、上の扉側には卵が3つにチーズ。
下の引き出し側には、じゃがいもや人参などの野菜。
…仕方ない。
オムレツでも作るかな。
「フライパン借りるよ」
どこに何があるのか把握はしてないけれど
なんとなく色んなところを開けてみて
必要なものを取り出していく。
すると
コーヒーを飲み終わった彼が
こちらをジッと見つめてきた。