性悪なヤツらの取り扱い方を教えてください。
車から降ろしてくれたのは
巨大ショッピングモール前。
「終わったら連絡する!
迎えお願い!」
「はいはい」
開いた窓越しに会話をし
去っていく車を見送った。
さて、何から見ようかな。
待っていてもらっているから時間を無駄には出来ないし。
必要最低限で、さくっと済ませないと。
そうは言っても初めての場所は興奮するもの。
手荷物は増やさない程度に楽しみつつ
最終的に食品スーパーに辿り着いたのは
かれこれ1時間が経過した頃だった。
そろそろ迎えに来て貰おうかなと
自分のスマホを取り出して…
私は一瞬、刻が止まった。
「氷彗の連絡先…聞いてない、な」
あまりに致命的なミスに
自分でもビックリだ。
『聞くの忘れちゃったなぁ』なんて穏やかなレベルじゃない。
浮かれてた?気が抜けてた?
1番肝心な事に、なぜ最初に確認しなかったんだッ!?
見知らぬ地で唯一の知り合いと言える氷彗と連絡が取れないとわかると、急激に、とんでもない焦りに変わる。
このご時世に電話が出来ないとか…マジでありえない。
「言ってても仕方ない。
落ち着けぇ…
落ち着いて考えろぉ…」
もはや呪文の如く
スマホを握りしめブツブツ言いながら店の前を行ったり来たり。
軽薄だった…