性悪なヤツらの取り扱い方を教えてください。
ナイスタイミングに声を掛けてきた第三者は、氷彗―――
「なんだよ、マジで男連れかよ」
「紛らわしい真似しやがって。
行こうぜ」
氷彗が現れた事により
男達はそれ以上は力づくで強行する事もせず
物わかり良く諦めてくれた。
「た、助かった…」
『ふぅ…』と息を吐き安堵する私とは裏腹に
氷彗は険しい表情で私に睨みをきかせる。
「いったいどういうつもりなんだよ!」
珍しく感情的に怒っていた。
「初めに気付かなかった俺も俺だけど…
連絡先なんて知らないのに
どうやって迎えに呼ぶつもりだったわけ!?」
「いや、それは・・・」
詰め寄る彼に私の目が泳ぐ。
氷彗も気が付かなかったのか。
2人揃って天然みたいな事をしていたとは…。
「せめて最初に降ろしたところで待っていてよ!
よりによってこんな場所で待つなんて
あんな変な連中に捕まるのも当然だよ!」
勢いよく喋る氷彗に圧倒されていると
『車に戻るよ』と指さす方向は
路肩に停めていた白のコンパクトカー。
そうそう、この車だった。
今度こそナンバーを控えておかないと。
「ナンパの聖地とかあるなんて
”THE・大都会”って感じだよね」
「なに呑気なこと言ってるのさ」
車に乗り込んでシートベルトをしながら言う私に
彼は軽蔑の眼差しで冷たい視線を送ってくる。