性悪なヤツらの取り扱い方を教えてください。
感覚と記憶だけを頼りに
ゆーっくりと手で触れながら進む。
「バスタオルは確かここに…
あった!」
幸いにも
扉を開けたすぐ右のタオル掛けにあったから
そこは、事なきを得た。
洋服をと考えたけれど
どうせまだ誰も帰って来ないし
真っ暗闇のままも不便だからと
私は先にブレーカーを確認する事にした。
灯りもないのに
どうするつもりなんだろ、私は。
きっと冷静に落ち着いて考えれば
他にもっと方法はあったのに…
私は気持ち的に焦って、慌てていた。
やっぱり慣れない場所での独りは
少なからず怖いからーーー
着衣を諦めバスタオルを巻いて体を覆い
1階に戻るため階段を目指す。
ようやく足の爪先部分が段鼻を踏んで、ここがそうなんだとわかった。
“ブレーカーは目前”
それだけで気持ちが少し楽になり
緊張感も少しはマシになる。
それがいけなかったーーーーー
窓の外に見えた光る空。
“また落ちる”
そんな恐怖が頭を過り
次の瞬間、足をズルっと滑らせた。
「えッーーーーー」
咄嗟に手すりを捕もうと試みたけど
暗闇で何も見えないせいで掠る事もなく
思うようにバランスの取り方もわからず
“ズダダダダダダッ”と大きな音と共に
全身への激痛に襲われた。
転げ落ちたのは言わずと知れた事。
最後に到着した先は
たぶん床。