性悪なヤツらの取り扱い方を教えてください。
「あたたたた…」
打ちつけてしまった腰を押さえながら体を起こしてみるものの、状況は未だ続く闇夜のまま。
「…痛ッ」
踏み外した際、捻ったのだろうか。
全身の痛みもあるけれど
右足首には特に激痛が走る。
転げ落ちた時に体に巻いていたタオルが離れてしまったけれど、腕を伸ばした範囲内で見つかり手繰り寄せると、とりあえず体に巻いた。
それにしても…
我ながらなんとも情けない姿。
こんな姿
絶対あの2人には見られたくないな。
この状況でも残るプライドが
大事に至らなくて良かったと思う安心を勝ってしまうなんて。
「…よし、動かないと。」
座り込んでいても何も仕方ないと
タオルを巻いたまま立ち上がろうとした…時。
薄暗さはあるものの
部屋全体がポッと明るくなった。
非常用の電気だとわかったけれど
どうして明かりが点いた?
私はまだ電源の場所に辿り着いてすらいないのに。
しかし
その答えは明白だったーーーー
「は?何してんだアンタ」
「…マジ最悪」
現れた壱琉の顔を見て項垂れてしまったのは
相手が相手だから。
よりによって
1番見られたくないヤツに
こんな姿…
「アンタその格好…」
「み、見るなぁ!!」
恥ずかしすぎて顔を逸らして
見られないように体を小さく丸くし
虚勢だけは張ってしまう。