性悪なヤツらの取り扱い方を教えてください。

タオル1枚で階段から転げ落ちて
男に見られるなんて…恥さらし行為。

穴があったら
今すぐ入りたい…

目の前では
何事かと驚いた様子の壱琉。

そんな彼に『バカだ』と笑われるのを覚悟で
私は声を張った。

「こんな時にシャワーなんて浴びたのは悪かったと思う!服も着ないでウロウロするとか…子供みたいだって事もわかってるから!!」

何を言い訳にしているのか
何に対して主張したいのか
自分でも意味不明だ。

「なに熱くなってんだよ。
 俺はまだ何も言ってねーだろ」

私があんまり勢いよく言うものだから
困惑した表情で頭を掻いている。

「た、確かにそうなんだけど…」

冷静にそんな事を言われてしまうと
返って、もっと恥ずかしい。

まぁでも…
帰ってきてくれた事にはホッとしている。
やっぱり独りより
誰かがいてくれた方が心強いから。

「それで?
 なんでそんな所に座り込んでんだよ。
 まさか停電に驚いて腰を抜かしたか?」

『ははっ』と薄ら笑いを浮かべる壱琉は
やっぱり馬鹿にしているようにしか見えず
私はすぐに否定をした。

「違います。
 停電したからブレーカーのところまで行こうとしたら
 暗くてよく見えなくて階段を踏み外したんです」

言いながら
自分の発言にハッとしてしまった。



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