性悪なヤツらの取り扱い方を教えてください。
淡々と止まらない父親からの反撃は
聞いてる私まで嫌な気持ちになるものだった。
だいたい
そんな理由ってあんまりじゃない?
「なにそれ。
わざわざそんな事を言うために来たわけ?」
「そんなわけないだろ。
私は忙しいんだ。
世間話をするほど暇ではない」
「じゃぁどうしてッ」
「お前を家に連れ戻しに来たんだ」
『え…』と
声を揃えてしまった私と氷彗。
どうして私まで驚いているのよ。
だけど連れ戻しにって
そんなのいきなりすぎるんじゃ…
「そんな勝手な話で
俺が素直に帰ると思っているの?」
「お前も充分勝手だろ。
ただのワガママで家出なんかして
母さんがどれほど落ち込んでしまったか。
親不孝なんだから
もういいかげん私の言う事を聞け」
無表情に冷たい父親に対し
キリッと睨みつけながら
唇を切れるんじゃないかってくらい噛み締める氷彗。
思った以上にヘビーな内容で
偶然ではあっても立ち会わない方が良かったかもしれない。
きっと氷彗が嫌がる。
家庭の事情はよくわからないけど
この展開は良くない傾向だと思う。
氷彗にも、お父さんにも。
そう思った私は
耐えきれず、間を割って入ってしまった。
「あ、あのッ!
今日はその辺にしましょう」
言った瞬間、2人から同時に睨まれて
こっちもこっちで居た堪れない。