性悪なヤツらの取り扱い方を教えてください。
選択肢ミスったぁぁ。
「あ、いや…
どっちがいいかわからなくて・・・」
「だからって両方持ってくるとは…面白い人」
無表情で『面白い』言われれても…
「こうされると
まるで反抗期の子供みたいだね、俺」
自覚はあったらしい。
そりゃそうだよ。
父親と揉めて部屋に閉じこもったきり出て来ないのだから。
そう思われても仕方ない。
そして氷彗は『はぁ…』と小さく溜め息を1つ零し
トレーを手にして私に言う。
「詩菜も一緒にどう?」
「えッ…!?」
一緒にって・・・!?
まさかの発言に慌てふためく私を余所に
目の前では氷彗がドアを開けたまま
『どうぞ』と言わんばかりに待っている。
同年齢の男のプライベート空間(自室のこと)に
私1人でお邪魔するなんて…
それは何かと大丈夫なのだろうか・・・。
いや、しかし相手は氷彗。
人嫌いの彼が部屋に呼ぶなんてレアだ。
「お、お邪魔します…」
夜の9時。
同居中の男性の部屋に入る事に――――――
*****
「凄ッ…」
入室してすぐ目に飛び込んだのは
(壁に)埋め込み型のキャビネットに大量の小説本が綺麗に収納されている光景。
何がビックリって、漫画本が一冊もない事。
そして硝子テーブルとベッド以外は他に無駄なモノがない。
まるで図書館か資料室みたい。