性悪なヤツらの取り扱い方を教えてください。
話してくれた親子関係について。
元々、氷彗はお父さんに憧れていたんだ。
だからこそショックが大きかった。
他人が口を出せる事じゃないけれど
目標として目指していた相手が
憎む対象になってしまうなんて…
何も知らない私ですら寂しいと感じる。
「どーせ家に戻っても
毎日文句しか言われないのは目に見えてる」
不貞腐れた言い方をしながら
また一口、ご飯を口にした。
「だけどお父さんは
どうして急に迎えなんて…」
「さぁね。
迎えに来たのは今回が初めてだよ。
結構前から電話とかじゃ散々言われていたけど。
まぁ粗方、病院内で噂になって焦ってんじゃない?
息子が行方を眩ましたって。
だから仕方なく連れ戻しに来たんだよ」
吐き捨てるように言う割に
どこか悔しさが滲み出ている。
「これから氷彗はどうしたいの?」
「どうしたい…か。
正直、俺もどうしたらいいんだろうって感じ。
わかってはいるんだけどね。
なんとかしないといけないって事くらい…」
俯き加減に『なんとかしないといけない』と答える彼は、自分の中で何かと戦っているように見えた。
なんだかんだ言いながらも彼はたぶん
お父さんと歩み寄ろうとしているのかもしれない。
「氷彗はきっと
お父さんとちゃんと向き合いって事じゃない?」
「え…」